多様で多彩な放射線と放射性同位体を、安全かつ有効に利用する研究に取り組む
放射線測定に関する研究開発事業

研究グループ当社の基幹事業である個人被ばく線量測定サービスにかかる技術開発は、大洗研究所によって行われています。また、近年は産官学などの共同研究を積極的に実施し、これまでに培ったノウハウを活かしながら、新しい分野への展開に果敢にチャレンジしています。

いつも世界最高性能の線量計を目指しています

IRSNガラス線量計2003年~2004年にかけてIAEA(国際原子力機関)が主催した「個人被ばく線量計に関する国際相互比較試験」で当社のガラス線量計が高い評価を受け、これを機に、当社のガラス線量計システムがIRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)の個人被ばく線量計として採用されました。また、当社の中性子線量計、ワイドレンジニューピット(WNP)が、2004年~2005年にIAEAが、2012年にEURADOS(欧州線量測定グループ)がそれぞれ主催した「中性子個人被ばく線量計に関する国際相互比較試験」で非常に良い成績を収めました。ここで得たノウハウをさらにブラッシュアップして新型ガラスバッジシステムが誕生。その設計は、大洗研究所が担当しました。

新型ガラスバッジ新型ガラスバッジは、性能向上のための技術的な改良、最新の国内外標準・規格への適合を図るだけでなく、視認性を高めるために線量計ラベルのデザインを大幅に変更するなど、さまざまな改良が加えられています。

地道な基盤研究が画期的な個人線量計を生み出します

ガラス線量計の発光メカニズムの解明、ガラス線量計の新しい測定方法および処理方法の開発、そしてガラス線量計を用いた蛍光飛跡検出器の開発などを産学共同で積極的に実施しています。またガラス線量計に用いられるガラス素子の機能向上に関する研究やさらに次世代をにらんだ新しい線量計の調査・研究など、さらに高性能で信頼性の高い将来の個人被ばく線量計を生み出すため、日々たゆまず基礎的な研究開発を進めています。

共焦点顕微鏡 配合試験 RPLイメージング

核医学画像診断に欠かせない原材料の国産化を目指しています

原子炉現在、核医学の分野でガン、心筋梗塞、脳卒中などの画像診断に欠かせない放射性同位元素にテクネチウム-99m(99mTc)があります。核医学診断に利用される99mTc標識薬剤は、診断用放射性医薬品全体の80%以上を占めると言われています。この99mTcは、親核種であるモリブデン-99(99Mo)からのミルキング*によって得ることができますが、その唯一の原料である99Moは、カナダやオランダ等から全て輸入されています。しかし、2007年から2009年にかけて99Moを製造する海外の原子炉が高経年化により相次いで緊急停止する等で、医療大国である日本は多大な影響を受けました。これらの状況を鑑みて、現在、99Mo/99mTcの国産化が焦点になっています。当社では、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の公募研究を通して、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)が所有する材料試験炉(JMTR)を用いた製造と加速器を用いた製造アプローチにより、製薬会社と協力関係を築いて、国内需要の20%にあたる99mTcの安定供給を目指しています。
*ミルキングとは「乳搾り」のことであり、毎日、乳牛から牛乳を搾るように、親核種から娘核種を得る様からこの名がつきました。

ガラス線量計を個人被ばく線量測定以外の他分野でも活かす有効利用研究を推し進めています

ガラス線量計の優れた性能を活かし、個人被ばく線量測定以外の有効利用も研究しています。国立研究開発法人放射線医学総合研究所との共同研究では、国際宇宙ステーションなどにガラス線量計を搭載し、衛星軌道高度での宇宙線の線量測定を行っています。さらに、筑波大学、東北大学などの共同研究では、放射線を用いた低侵襲治療であるIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)時に患者さんの皮膚などが受けた放射線量を測定する、IVR用患者被ばく線量計も開発して線量測定を行っています。

国際宇宙ステーション IVR患者被ばく線量測定

お電話でお問合せのお客様 WEBからお問合せのお客様

TOPへ